教科書がデジタルに!教育現場で採用されるデジタルブックのメリットとは?

企業の製品カタログや旅行代理店の旅行パンフレットなど、幅広く利用されているデジタルブック。

デジタルブックは紙の書籍と同じように使えるうえに、ホームページへのリンクや動画、音声などあらゆるメディアを挿入できるため、様々な企業が導入し始めています。

そんなデジタルブックは、教育現場でも使われるようになりつつあることをご存知でしょうか。

 

今回は教育現場でデジタルブックが採用されることに、どのようなメリットがあるのか。またどのような効果が期待できるのかをご紹介します。

デジタルブックを採用することのメリット

今後は学校で使われる教科書もデジタル化され、2020年頃にはかなり多くの学校がデジタル教科書を採用しているのではないかと考えられます。

 

しかしなぜこれほど積極的に、教育にデジタルブックを取り入れようとしているのでしょうか。それには、デジタル教科書を採用することで生まれる様々なメリットが関係しています。

ではデジタルブックを採用することのメリットを見てみましょう。

荷物が軽くなる

 

学校で使うものと言えば教科書とノートです。学生の荷物のほとんどは教科書とノートが占めています。

教科書は意外と重たいものです。あまりに教科書が重たいため、小学生にして肩こりになってしまうといった経験をした人もいるかもしれませんね。

 

しかし教科書をデジタル化してしまえば、タブレット端末1台で全教科の教科書を持ち歩けます。また専用のペンがあれば、タブレット端末に文字を書き込むこともできるので、ノートすら持ち歩かなくてもよくなる可能性もあります。

 

別に重たい教科書を持ち運ぶという鍛錬を積む必要もないわけですから、教科書をデジタル化してしまった方が、子どもたちの身体のためになります。

勉強が理解しやすくなる

 

先にも書きましたが、デジタルブックには文字や写真だけでなく、動画や音声なども挿入できます。これによって授業が理解しやすくなります。

 

たとえば、算数の授業で出てくる図形の問題。図形を展開したり動かしたりする問題がたくさんありますよね。こういった問題は、やはり文章や図では説明しにくいものです。

そこで現在は、DVDなどの解説映像を使って授業を進めることが多いようです。

しかしこの方法が通用するのも学校の授業だけであり、自宅に帰ってから勉強をする場合はどうしようもありません。

 

しかしデジタル教科書であれば、図形問題を解説する動画を挿入できます。そうすることで、学校でも自宅でも、場所を選ばずに同じ質の勉強ができるようになります。

子どもが勉強に積極的になる

 

子どもにとって、紙の教科書の最大のデメリットは楽しくないということでしょう。最近では教科書に人気アニメのキャラクターが使われていて、楽しく勉強できるような工夫がされていることもあるようですが、子どもの勉強に対する興味は一時的なものになります。

 

ではデジタル教科書であればどうでしょうか。

タブレットの物珍しさに子どもは興味を持つでしょう。つまり教科書に触れる時間も増えるということです。

さらに教科書に動画などが含まれていれば、より楽しく勉強ができるようになります。

 

デジタル教科書にすることで、少なくとも現在よりは勉強に積極的な子どもが増えるのではないでしょうか。

 

デメリットはあるのか?

デジタル教科書のメリットを挙げていきましたが、一切デメリットがないのかというとそういうわけではありません。

たとえば視力低下の問題。スマホやパソコンからブルーライトが放出されていることは、多くの人がご存知かと思います。タブレットについても同様です。

そのためブルーライトをカットできるような画面にするなどの対処が必要になるでしょう。

 

デジタル教科書の導入に向けての動き

 

ここまでご紹介したように、デジタル教科書には数多くのメリットがあります。しかし今まで紙の教科書で授業を行ってきたわけです。大きく形を変えることにはリスクを伴う可能性もあります。

そのため文部科学省では、デジタル教科書の導入に向けて、多くの討論の場が設けられ、デジタル教科書についての話し合いがなされました。

 

たとえば前述したように「紙の教科書だけでは理解が難しい部分でデジタル教科書を活用すれば、より理解度が深まるのではないか」といったことや、「障害などを持っていて、紙の教科書をうまく使えない子どもに対してデジタル教科書を活用することで、他の子どもと同様の授業が受けられるのではないか」といったことです。

 

しかしその場合は、紙の教科書とデジタル教科書を併用することになるため、両者を同じ内容にする必要もあります。そういった部分はどう対処するのか、といったことも話し合われてきました。

 

まだ本格的な導入まで時間がかかりそうですが、こういった動きから、国としてもデジタル教科書の導入に前向きだといえます。

 

語学力の向上につながるのではないか

今後デジタル教科書が導入された場合、子どもたちの学力向上にもつながると予想されますが、それ以上に語学力の向上につながるのではないかと思うのです。

 

今は語学力、特に英語力が重視されていて、小学校でも英語の授業が取り入れられるようになりました。

しかし今の英語の授業では、書く、読む、聞き取るということに力は入れられているものの、話すことに力は入れられていません。ですが語学力は話してこそ向上するものです。

 

そこでデジタル教科書が導入されれば、タブレットに搭載されたマイクに向かって英語を話し、発音の良し悪しなどを判定することもできるでしょう。さらにAIの導入も進めば、会話ができるようになるかもしれませんね。

 

こういった面から見ても、今後デジタル教科書が導入されることに大きなメリットがあるのではないかと思います。

 

まとめ

教育現場での導入が進んでいるデジタル教科書のメリットなどについてご紹介しました。

 

デジタル教科書は、今までの紙の教科書では実現できなかった学習が実現できるようになる可能性が非常に高いものです。

もちろん、今まで通り紙の教科書を使っていった方が、安定した学習ができるという意見もあるでしょう。しかし教科書ほどデジタルブックが最適な書籍はないと思います。

 

デジタル教科書の導入は、日本の学力向上につながっていくのでしょうか。

 

 

↓今回の記事では、下記のサイトを参考にさせていただきました。

文部科学省「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/110/houkoku/1380531.htm